リタ

普通の人々のリタのネタバレレビュー・内容・結末

普通の人々(1980年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

幸せそうに見える理想的な家族が、
長男が亡くなった事を契機に
絆が抑えられないほど綻んでいって
結果別れ別れになってしまう話


次男の物語としてだけ見れば
収まりのいい映画だったのだけど。

父親はあまりに無力だし
母親も救われないままだった

次男の病院友達も、母親も、
同じように悲しみと向き合わず
無かったことにして過ごしてたから
母親の今後が心配になる

次男のことを愛せず
後半は排除しようとしていたから
自業自得といえばそうなんだけれどね。



母親は自分しか愛せないし
父親は人に無関心だし
次男は自分に拘りすぎるし

みんな不完全で、
自分の悲しみを乗り越えるのに精一杯で
家族といえど他の人を助ける余裕もない


家族全員で笑って、抱き合い愛を確かめ合う
なんて結末にならなかったことが
「普通の人」たる所以なのかも

ハリウッド映画に出てくるような
理想の家族なんて絵空事なのか




メアリーテイラームーア、
Weezerの曲に出てきたシットコム女優
ってことしか知らなかったから意外な役柄
しかしピッタリだった

一方サザーランドパパ
いつも悪いやつだからこの役は不思議な感じ。



次男が心を取り戻していく様子が
すごくリアルに感じた

最初は「生ける屍」で
段々苛立ち破滅的になって
でも心を開放して他者に頼れるようになって
悲しみと向き合えるようになる

気付いたら自分が穴になっている、って台詞も
忘れられない


次男を叱って、俺たち親友だろ、って言ってくれた人
めっちゃいいやつだったんだけどな。
突き放してしまってそれきりかな。


この映画全体的に他人事には思えなくて
凄く沈んだ。

評価されたのはそういう理由かも。
誰にでも起こり得ることなんだよねこれは。


なんか
カウンセリングは大事だぞ、いう
啓発ビデオにも思えてきた。

長男は入院するような子じゃありません!とか
うちのことはうちの中で解決します!
とか言ってると出ていく羽目になるらしい。
リタ

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