Nanae

普通の人々のNanaeのネタバレレビュー・内容・結末

普通の人々(1980年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

稀に自分がどちら側の人間か突き付けられてしまう作品がある。これもそうで、私は完全に母側だった。あの母親の緊張というか強ばりというか、目の奥が怯えている感じは理解ができる。辛い出来事に向き合うとかそういうことはまだ(もう)無理なんだよね。その器が自分にないのはわかっているし、他者からそれを思い知らされるのも怖いから、結局逃げるしか道がない。弟(主人公)は眠れてないはずなのに目に生気が宿っているのが疑問だったけど、根本的に私とは違うからまあそれは不思議に思ってしまうんだよな。彼は人を頼ったり人に歩み寄ったりしてその後も強くなっていったんだろうね。こういうふうに今日も彼らとの世界に境界線を引いてしまうくせして、他者に自分を受け入れてほしいみたいな我儘を平気で垂れるのがだめなんだとわかってはいるんだけど…。この映画見たらなんとなく人生変わってしまいそうで見てなかったけど、もっと早くに見ておけばよかった。自分が弟側だと信じているうちに見ておきたかった。
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