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普通の人々のkazu1961のレビュー・感想・評価

普通の人々(1980年製作の映画)
4.2
「普通の人々」
原題「Ordinary People」
1981/3/7公開 アメリカ作品 2018-031
アカデミー賞作品賞再鑑賞シリーズ
1981年第53回 アカデミー賞作品賞

ロバート・レッドフォード監督デビュー作にして、即、アカデミー監督賞・作品賞を受賞。素晴らしいですよね。
ちなみに、俳優としてのロバート・レッドフォードはまだアカデミー賞の演技賞を手に入れていない(アカデミー名誉賞は受賞している)んですよね。
本作は秀逸な脚本と演出で、家族の断絶の問題を真摯な態度でわかりやすく描いています。
その秀逸さがいきなりスタートの部分から見事ですよね。最初のジャレット家の食事シーン、母親は息子の大好きなフレンチトーストを作ったけど、息子は食欲がなく手をつけない。そこまでは普通のシーンだが、母親はフレンチトーストを流しに捨ててしまう。このシーンだけでも母親の息子に対する気持ちの複雑さを感じておやっと作品に引き込まれますよね。
最初の鑑賞時20歳だった私は何となくわかったつもりで鑑賞してましたが、年齢を経るとともに共感性が高くなってきました。特に父親の感情変化には共感を持ちました。
本当にとてもよくできた誠実なホームドラマで、キャストの熱演も見応え十分であり、特にコンラッドを演じたティモシー・ハットンの迫真の演技には胸を打たれますよね。
苦難を乗り越える辛さと悲しさ、そしてどうしようもないことがある事、多くのことに共鳴する作品です。
鑑賞してると色んな作品が思い浮かびますね。コンラッドとバーガー医師のやりとりからは「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」が思い出され、優秀な兄を亡くした弟という設定からは「スタンド・バイ・ミー」が思い浮かびます。「アメリカン・ビューティー」に関しては、サム・メンデス監督本人がこの作品に影響を受けたと公言しているので、やはり本作は非常に後世に影響を与えた作品であることは間違いないですね。

名優ロバート・レッドフォードの監督デビュー作にして、1980年度アカデミー賞4部門(作品・監督・助演男優・脚色賞)に輝いた傑作ヒューマン・ドラマ。ごく普通の中流家庭であるジャレット一家。お互いに尊重し合い、家族4人で幸せな毎日を送っていた彼らに、長男の事故死と次男の自殺未遂という悲劇が降りかかる。そしてこの出来事をきっかけに、信頼しあっていたはずの家族の歯車が少しずつ狂いはじめるのだった……。
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