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グリーンマイルのkyokoのレビュー・感想・評価

グリーンマイル(1999年製作の映画)
3.8
『グリーンマイル』はあのスティーブン・キング原作、フランク・ダラボン監督の、そう、映画ズキなら絶対ピンと来るであろうあの『ショーシャンクの空に』のコンビ再び!っちゅう作品です。
物語はかなりファンタジーの要素があるので原作的には『刑務所のリタ・ヘイワース』とは趣が異なりますが胸の熱くなるような演出っていうのは共通していました。
(ところでスティーブン・キング作品でファンタジーって言うと私はお気に入りの作品に『タリスマン』をあげずにはいられません)
所々でグリーンマイル(これは刑務所内の死刑者専用棟の床の色から来ている呼び名)内での残酷な描写があるのですが、看守であるポール(トム・ハンクス)、ブルータルらの暖かい人柄がその思わず目を背けたくなるような世界での救いとなっていて。

観終わった後の不思議な感じ、喪失感と言うか空虚な感じと言うかやるせなさというか
でも決して悲しい、って訳でもなく。
そこはチト『ショーシャンク~』のような開放感、爽快感、溢れてくる感動、生きていることの素晴らしさ! みたいなのとは180度違う世界なのでした。

劇中死刑囚ジョン・コーフィが名作映画『トップ・ハット』(だと思うけど)を観ていたシーン、そして何十年後かにポールが同じ映画を観ていたシーン、(順序は逆)私はこの2ヶ所に何故かとても胸をつまらせました。久しぶりに観返したいな、あの映画。

因みにスピルバーグ監督は「思わず4回泣いてしまった」と言ったようだけど私は泣いてません。心では何度も泣いたけどさ。そういうのとはちょっと違った。
それからあとこの映画でさりげなく光っていたのはカメオ出演のゲイリー・シニーズとあとポールの奥さん役のボニー・ハント! 地味だけどこの二人、とっても良かった。
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