ハル

グリーンマイルのハルのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンマイル(1999年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

サム・ロックウェル目当てで鑑賞。(スリー・ビルボード見て、ハマってしまった)
いい感じに屑でムカつくし恐いなって時もあったけど、たまに見せる表情が色っぽくてドキッとした。
大体、へらへら笑っていけすかないんだけど流し目っぽい時とかふと真顔になったときとか横顔が素敵すぎて「あ~、この人やっぱり好き~」ってなる。他の作品もチェックしたいです。

てなわけでいい加減映画の感想に入ります。



どれだけ素晴らしい力を持ってしてでも
人間の生きる世界は簡単には変えられないんだなという無力感。

ジョン・コーフィが生きてきた中でどれだけ苦しんだのかと思うと此方も辛くなった。泣かずにいられなかった。
奇跡の力を使い人々の病気を治したり、ネズミを生き返らせたりと善行を行っているジョン。捕まる前に少女二人を生き返らせようと試みたことから、昔からこのようなことをやっていたように思う。それにも関わらず彼が行き着いた最後は電気椅子だ。
彼は最後、あれで報われたのか。ふと、そんなことを考えた。

私は思う。彼の最後はあれでよかったのかもしれない、と。
人々の心の醜さや悪意が自分には顕著に伝わってくる。「いつもガラスが刺さっているようだった」と、彼はそう言っていた。
「愛を利用して、人を殺す。この世界中で毎日のように起こっている」
例え、自分がどれだけ人を癒す力を持っていても。悪人を廃人とさせることが出来たとしても。それだけでは足りないほどに、悪はこの世界に蔓延ってしまっている。
彼は、もう限界だったのだ。だから、老衰を待たずとして死ぬ機会が表れたこれは、運命だったのだと。
私はそう思う。
彼が壊れてしまう前に。穢れてしまう前に。天国へと行くことが出来たなら。
そして、そこであの映画のような心地を味わえたならどんなにいいだろうと、私はそう思うのだ。


残されたポールとネズミについて。
此方についても書いていこうと思う。
ポールは今、108歳。今後のことは目安はつかないが、まだまだ長い道が彼を待っているように思う。
ジョンとポールは会話やふれあいからお互いについて共有してしまった。その奇跡の力さえも。
「これは罰だ」とポールは言っていたが、私には罰だけとは思えないところがある。
ジョンの代わりに、神の使いとして世界を見渡して欲しいのではないかと思ったのだ。
世界を見渡して、本当にこの世界は救いようがない程の悪意に染まっているのか。それとも、優しさや善意に触れることがあるのか。それを見ていてほしいのではないか、と。
いや、多分考えすぎな気はするんだけどね。でも、そういう設定があったら面白いなって。


にしても、ネズミすごかったな~。訓練とか大変そう……
30匹のネズミを使って撮影したらしいけど、それぞれに違うことを教えるトレーナーさんも凄い。


面白かったのでまた見たい作品。
ハル

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