私は今もグリーンマイルを歩いている。
死に向かう道、グリーンマイル。
人には誰しもいつか死が訪れる。
安らかな死もあるだろう。
意に沿わない死もあるだろう。
君はどちらの死だったのだろうか。
私はいつも思い出す。
君を電気椅子に送る私に、君がくれた言葉を。
「神には、あなたは親切なことをしたと言えばいい」
いつか私にも死が訪れた時、
神にではなく君にこう言うことにしよう。
「君は親切なことをしたんだ」と。
あまりの長尺に二の足を踏んでいた作品。
最初に観た時は、死刑囚ジョン・コーフィが持つ"病を治す奇跡の力"のシーンで胡散臭さを感じ途中で観るのをやめてしまった。
今回、せっかくの劇場鑑賞のため先入観を捨てて臨んだら全くもって素晴らしい作品だった。
ジョンの秘密を知ったトム・ハンクス演じる看守の葛藤、奇跡の力を持つが故のジョンの苦しみ。そして、ジョンの死刑執行の際に見せた若い看守の涙が命の尊さを再認識させてくれる。
私も今グリーンマイルを歩いている。
ふと後ろを振り返った時、恥じることがないように生きてゆきたい。