とてつもなく重たかった。
当時小学生だった私には、いくら罪を犯した人間であろうと電気椅子で死にゆく描写には、残酷さを感じずにいられなかった。
しかも、それが無実で、かつ心優しい超能力を持って人を癒す男だとしたら……
それはそれはつらかった。
生命の尊さを学ぶと共に、罪と罰について問いただすキッカケを与えてくれた。
刑務所を舞台に、無実の罪で収監された死刑囚とその周りの人間に巻き起こる不思議なお話。
スティーブン・キングの原作をフランク・ダラボン監督がメガホンを撮った『ショーシャンクの空に』のコンビ。
そこに名優トム・ハンクスが締めるアカデミー受け間違いない作品である。
3時間を超える長尺ながら、様々な登場人物の絡み合うドラマは飽きずに観れました。
今作は、何と言ってもジョン・コーフィを演じたマイケル・クラーク・ダンカンが凄かった。
クマのように大きな屈強な黒人男性。
傍から見たら、明らかに人を殺してもおかしくない境遇とタイミングで、死刑囚となる。
それも甚だおかしくて、時代が時代だからなのはわかるが、今だって無実の罪で服役している人は必ずいるわけで…。
難しい問題。
答えが出ない。
印象的だったのは、ネズミのミスタージングルス。
彼が悲しいラストを迎えるシーンは、凄く腹が立った。
そこから復活し、いまなお生き続けていることも、不幸なのか幸せなのかよく分からず、深かったなぁ。
基本的にはファンタジーであるが、もしかすると本当の話なのでは?と錯覚するくらいに、ドラマがリアルで驚いた。
多分、劇場とDVDレンタルと地上波放送とで3回くらいは観たが、未だに今作の素晴らしさを言語化できずにいる。
これだけ暗い話なはずなのに、全てが悲しい感情ではなくて、少し前向きに感じさせる魅力も備えている。
それだけ、コーフィの放った人間性の高さが私に影響したんだろうな。
あと、ありガチだが、看守も死刑囚も当たり前ながら人間だよね。
立場に違いがあろうと、その人が良い人か悪い人かわかってくると、関わり方も変わってくる。
コーフィの魅力は、与えられた能力で人を癒すだけではなく、優しさに満ち溢れていたこと。それがあるから、永きに渡り語り継がれる話になり、彼が生きていた意味になったと思う。