ヒガシオオヤマトネコ

グリーンマイルのヒガシオオヤマトネコのレビュー・感想・評価

グリーンマイル(1999年製作の映画)
5.0
年老いたポールはとある映画を見て涙を流してしまう。それは、昔の記憶が蘇ったから。その昔の記憶とは、収容所の看守をしていたときのこと。そこで起こって体現した物事を映し出した不朽で名作と位置付けられる名画。

この映画を最初に見た時は作業をして流し見をしながら見ていた。それでもはっきりとこの映画がどれだけ素晴らしいものかが伝わった。じっくりと向き合うべき名作であることが伝わる作品。
個人的には、トム・ハンクスはフォレスト・ガンプのイメージが強すぎて真人間として役に没頭する姿をなかなか想像できなそうであったが、さすがは名俳優。ポールという1人の人間を演じてみせた。ただ、病気が治ってトイレをするシーンは、いい意味で少し笑ってしまった

この映画は語るよりもぜひ見てほしいが好きすぎて無駄なことをつらつらと綴ってしまう。
不思議な能力を持つ死刑囚のジョンが罪を犯しているかの真意は最後まで明記されていないが、彼の無実さは一目瞭然だし、出てくる人間がパーシーとホアトンを除いて悪人に見えないヒューマンドラマとなっているため、死刑と刑務所という重い題材がかなり心に響く。

死刑間近でジョンとポールが対話するシーンも、ポールの敬意とジョンの真意が見え、互いの想いがぶつかることはないが交錯する様が見ていて響く。その後の映画のシーンも最初とつながってとても感慨深い。

ラストの皮肉が効いているような終わり方もスティーブン・キングらしくて良い。あらゆる良いものが詰め込まれて互いを殺し合わなずに共存できている22世紀になっても見れる映画