ICHI

殺し屋ネルソンのICHIのネタバレレビュー・内容・結末

殺し屋ネルソン(1957年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

30年くらい前から観たい、でも観られない、そのうちDVDになるんじゃないか、ニュープリントになってリバイバル公開されるんじゃないか、BSシネマでひょっこりやったりするんじゃないか、と待てど待てどもやらず観られずだったこの作品がついに観られたのだけど、30年待った甲斐があった凄い作品だった。出だしからあれよあれよの展開で余分なショットはどんどん省き音楽も相まって疾走感がすごい。階段の狙撃シーンなんか背筋がゾクゾクした。主役のミッキールーニーは勿論いいのだけど恋人役のキャロリンジョーンズが素晴らしい。「パルプフィクション」のユアサーマンの髪型はここから来てたかと興奮し、彼女の身体を触ってばかりいるロクでもない医師もいいし、後半ジャックイーラムとかエリシャクックjrが出てくるのもたまらない。そして粗暴な中にも弱い者に対する優しさを持っているように描かれたネルソンが、冷酷この上ない言葉を叫んで恋人に自分を撃ち殺させるラストシーンは「白熱」のギャグニーを彷彿とさせるエネルギーの放出で、凄い映画を観たという至福感に今だに包まれている。
ICHI

ICHI