義民伝兵衛と蝉時雨

愚か者の日の義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

愚か者の日(1981年製作の映画)
3.8
社会から隔離された精神病棟の中を亡霊の如く漂う女性達。そんな彼女ら彼らの心情にスポットライトが当てられた作品。社会との断絶。自分の傷ついた心を守る為に築き上げた外界を遮る心の防壁。そこに籠る人々の狂気的ながらもどこか純粋で美しい心の不協和音が全編を通して奏でられている。ドヴォルザークの「ピアノ三重奏 第3番 第3楽章 Poco adagio」が叙情的な映像美を見事に盛り上げる。その美しい旋律が深い孤独の夜の情景やキャロル・ブーケの美しさも同時に引き上げる。そして防壁が打ち倒されるフィナーレ、、、魂が震えた。