ベビーパウダー山崎

愚か者の日のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

愚か者の日(1981年製作の映画)
2.5
役者がキチガイ病院でキチガイを熱心に演じている、その頭のおかしな行動が一つのパフォーマンスにしか見えない。キャメラを傾けたり、妄想を視覚化したり、映像でキチガイの世界を押し付けてくる。その作り込まれたキチガイは、まともな他者が望むキチガイ像ではないのか。キチガイを映しながら「映画」がキチガイにまで昇天するアンジェイ・ズラウスキーならまだしも、ヴェルナー・シュレーターの表現は頭でっかちであざとく、「映画」がキチガイのフリをする必要はない。病室の壁が舞台セットのように倒れる終盤は寺山修司のようで冷めた目。ファスビンダー組のイングリット・カーフェンに+0.5。