たらお

異人たちとの夏のたらおのレビュー・感想・評価

異人たちとの夏(1988年製作の映画)
3.5
対人関係に悩みを抱えている男と異人たちの交流を描いたお話。
原作未読。ラジオドラマは聴いたことありの状態で鑑賞しました。
主人公が12歳の頃に死別した両親が突然現れ、また家族の団らんを過ごすことになるのですが、この家族の時間の暖かさがいいですね。
主人公の心を揺さぶり、たくさんの物を与えてくれる異人たちの存在が濃く描かれていました。

今作は主人公と異人たちとの交流、主人公の心境の変化をゆったりと描いていますが、大きな事件が起きるわけでもないのでそこを退屈に感じる方にはつらいかもしれません。
細かいところの説明はないですし。
ともかく雰囲気を楽しむ一作かと思います。
浅草の街並みにはちょっとノスタルジーを感じましたし。
物語としては必要以上に人と交流しない、頑なな心の主人公が人間味があるように成長していくお話ですからね。
主人公の息子の台詞にある「前よりは“生き物”って感じがする」ってのが今作で描きたい、伝えたかったものなのかなーと勝手に解釈しています。
自分で自分を大切にするって簡単なことじゃないんですよねえ。
たらお

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