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異人たちとの夏のkmiwのレビュー・感想・評価

異人たちとの夏(1988年製作の映画)
3.5
ファンタジーかと思って観ていたらラスト突如クローネンバーグでびっくり。時々昭和風味のエロシーンあり。
これはネタバレか?

初っ端だけ地に足のついた展開だが、後は一気にノスタルジーかつファンタジーな世界に没入。

主人公である脚本家、風間杜夫は仕事や家族の問題で深く傷ついていた。
そんな時訪れた浅草で、ひょんなことから30年前事故死したはずの父母が普通に暮らすアパートに行き、その後何度も二人との時間を過ごすことになる。

父母の件の一方、同じマンションに住む女性( 名取裕子)とこれもまたひょんなことから恋人同士になる。
彼女は死者に近付いていく杜夫を心配し、父母に会うことを必死に止めようとするのだがと、ここで筋書きを追うのは止めておく。

大林監督独特の演出や画面の太陽光を模した色合い、昭和の再現、片岡鶴太郎演ずる父のはすっぱなしゃべり方や所作、母秋吉久美子の無防備な夏のワンピースなど、シンボリックな物・事柄の扱いが巧く、心の奥にある郷愁が疼く。

ラスト付近、一瞬サイキックホラーみたいになるが、そこを越えればまたノスタルジーな作風に戻るので安心して下さい。

30年以上前の作品なので、さすがに古いなーという思いは自然と涌き出てきますね。
そこが気にならなくなればしめたもの。
秋吉久美子のかわいらしさと名取裕子の生々しい美人ぷりを比較するのもよし、いい人ぶってる永島敏行にけちをつけるもよし。

最近公開されたイギリスの「異人たち」も観て比べてみたいと思います。
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