カフェポタリスト

砂の上の植物群のカフェポタリストのレビュー・感想・評価

砂の上の植物群(1964年製作の映画)
4.0
パウル・クレーの絵、砂の上の植物群に触発された吉行淳之介の小説の映画化。原作はむかし読んで、感銘を受け吉行文学にハマった時もあった。本作を観るのは初めて。自分の中にあるイメージを大事にしたいので、特に好きな小説の映画化作品を観ることはしないが、もうずいぶん前に読んだものなので、今回は鑑賞することに。
本作はホラー映画的なところがあり、ベルイマンの沈黙のようなところもある。吉行文学に欠かせない父親との関係を語る床屋役の信欣三が良い。鰻屋のエピソードも面白い。
黛敏郎によるバッハの音楽も効果的。
中平康監督の映像派としての面が強く出ていて
それが作品と合って、これは成功していると思う。