「目開きで辛いってことはありやすか。」
「見て、見ぬふり、かな。」
「こっちは見えねえのに見えたふりをしてるってのに、贅沢だぁ。」
何も分からず、北野武版『座頭市』を見る前にオリジナルを見ようと思って、一作目の『座頭市物語』といっしょに本作を借りたら、こっちは最終作だったという展開。
第1作と最終作を続けてみるのどうなん？とも思ったけど、見ないで返すのもアレなので視聴。
正直1作目の衝撃には及ばない。
でも、カラーで見やすいし、殺陣のスケールもセットの豪華さも桁違いだし、十分楽しめた。ヴィジュアル的には、これぞ座頭市という感じ。一作目はまだかなり若い感じだったので。
一作目と被る展開・場面・キャラクターが目立ったが、それは勝新太郎監督作品として一作目オマージュ的に盛り込まれたのか、毎回のお約束(水戸黄門の印籠的な)みたいなことなのかは、本作しか見てないので不明。今作にも1作目同様「立場は敵同士だが心を通じ合う侍」が登場するが、彼が1作目ほど必然性がないというか、無理やりストーリーに捩じ込んでいる感じがして勿体なかった。
座頭市の記号をこれでもかと詰め込んだ結果、「座頭市フルコース」であると同時に「座頭市コラージュ」にもなってしまったという印象(これは他作品も見てみないと正確に判断できませんが)。
どこかで見たような…と思っていたら、若き日の陣内孝則さんと片岡鶴太郎師匠という驚きも。
