元ストリートチルドレンの黒人青年が、ピストルを片手にバスをハイジャック、
乗客を人質に立てこもった事件を扱ったドキュメンタリーフィルムです。
人の集まるリオの街中で発生し、テレビで生中継され注目を浴びた事件。
バスという前面ガラス張りの密室で起き、
犯行の一部始終が映像として残るレアなケースで、
これに、犯人の知人、人質、警察関係者のインタビューなどを適宜加え、
事件の背景となる、著しい格差社会・差別社会と、
警察の腐敗などを浮かび上がらせる手法です。
それにしても、警察の下手の打ち方が頭抱えるレベル。
ネタバレになりますが、
犯人狙撃のチャンスをことごとくスルーした後に、
無茶して人質に弾を当てたり、
生け捕った犯人を、もみくちゃの中で首締めて殺しちゃったり。
BRICsとか言われていますが、どちらかというと失敗国家ですね。
なるほど、こういう社会なのね、
オリンピック開催してる場合じゃないわと思いました。
あと、これは勝手な連想ですが、
日本のように島国で村社会を引き摺っていると、
一人勝ちしない方がいいという感覚が働くものですが、
大陸、移民国家だと、そういった空気は読まないし、
結果、著しい格差社会が、貧困層だけでなく、
上流層の命をも危険に晒すことになり、自業自得と言えなくもない。
そんな社会を変えようと思っても、
変える力を持つ権力がことごとく腐敗してるという。
あと、向こうのスラムって空から見ると壮観でステキです。
山にへばりついた古代遺跡のよう。
結構頑丈そうなつくりで、色味も統一感があります。
日本だと浮浪者の住処は板きれや段ボールで美観とは無縁ですが。