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悪魔のシスターのHKのレビュー・感想・評価

悪魔のシスター(1973年製作の映画)
3.8
遠山先生の論考に引き摺られてまた観てしまう。そこで書かれている通りに、マルチ画面の使い方は『絞殺魔』(68)とは根本的に違って興味深いが、というかデ・パルマはそもそも『絞殺魔』観てないとあからさまな嘘をついていたんじゃなかったっけか?相変わらず食えない男だが、さておきデ・パルマがこれを構想したのはロシアだかのシャム双生児姉妹の写真を見たからだという。その時、はじめてジャンル映画を撮ろうと思ったと言うのだが、俄には信じ難いので、あるいはそれも嘘かも知れない。アパートに刑事がやって来る場面は、ホントはマックス・オフュルス流に、あっち行きこっち行きしてソファを通る度に血の染みが大きくなっているという風にやりたかったらしいが、技術的に無理で断念した。オフュルスだと公言するけど、フライシャーだと嘘をつく、ということで人間味に溢れているが、人間味に溢れているといえば、『暗闇にベルが鳴る』(74)のBlu-ray特典インタヴューでマーゴット・キダーは『暗闇』とこれとどっちが好きですか?と訊かれ、これの方がよく覚えている、なぜなら監督と寝てたから!ダハハハーッ!と豪快に笑っていてカッケーと思ったな。
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