山田

悪魔のシスターの山田のレビュー・感想・評価

悪魔のシスター(1973年製作の映画)
4.3
『サイコ』に『裏窓』に『ロープ』と俺の好きなヒッチコック映画を一本で全部やって音楽もバーナード・ハーマンにやってもらったけど、どう?という監督のドヤ顔が目に浮かぶような本作だが、決して亜流とはならないのが流石のデ・パルマ。
黒人青年がまさかの口を刺されて血を滴らせるシーンや記者が素性を信じて貰えずに精神病院に収監されていくシーンが印象的。中でも白眉は魚眼レンズで撮影された『フリークス』オマージュの悪夢シーン。そして『SPOORLOOS』に少なからず影響を与えたであろうラストにはゾッとさせられるがシュールな笑いも誘う。
心理の歪みと窃視の変態性というデ・パルマの作家人生を貫く美学が過激に発露した初期の傑作。
山田

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