殺人現場を目撃した女性記者が事件の真相に迫ろうとするブライアン・デ・パルマ監督初期の作品。
序盤の殺人はなんとなく起こりそうだと思ってはいたものの唐突且つショッキング、またこの頃からデ・パルマ監督お得意の画面分割が登場し殺人現場を片付ける側と現場に行きたいけど警察と揉める記者側が同時進行で描かれ実にスリリング。監督が敬愛するヒッチコック「ロープ」の如く死体がある場所に隠されていると観ている側のみが知ってる状態でストーリーが展開するのも好奇心とスリルを持続させるのに一役買っている気がします。
しかし真相が明らかになる終盤のモノクロ映像は、過去のものと思われるのに現代の人物が登場したりと観る側を混乱させ、エンディングでこの後どうなるか想像は出来ても劇中で事件は収束しないのでもやもやが残る結果に。加えて「バスケット・ケース」を先に観ていたので真相もそこまでインパクトが無かったです。
とはいえ事件の手掛かりとなる名前入りのケーキを持つもステンと転んでダメにしてしまうのは滑りやすい床と分かっていても笑ってしまいましたし、そんなコミカルな要素やこれまたヒッチコック監督御用達バーナード・ハーマンによるやたら大袈裟なBGMも有ることで退屈することなく観れる作品になっています。
