神の祝福を得るために悪魔と戦うエクソシストの物語。主人公のコンスタンティンを演じるキアヌ・リーブスがかっこいい。
この映画は世界観で見る人を引き込んでいく。人間界の裏に天界と地獄があり、人間界にもそれらの住人が紛れてバランスを取っているという設定は興味深いしちょっと怖い。
また悪魔と戦うためのアイテムが次々と出てくるシーンでは、スパイ映画のような、あるいは魔法の世界のような、そんなワクワクが味わえてナイスなポイント。
そして個人的に一番良いと思ったのは、登場する天使と悪魔、特にガブリエルとルシファーのキャラクター性だ。天使らしく中性的で美しいガブリエルと、真っ白な服に汚れた足を見せるルシファーは、話し方も振る舞いも印象に残る。
ただし注意点として、この映画は日本人が楽しむには知識が必要である。上述のガブリエルやルシファーがキリスト教においてどんな存在なのかを知っていないと面白さが大きく減ってしまう。さらには自殺（未遂も含めて）がキリスト教におけるタブーであることを知らなかったとしたら、もう序盤の展開から分からなくなりそうである。
このように宗教色を全面に打ち出した映画であるゆえに、深く楽しむにはキリスト教圏では当たり前の知識が必要となり、その点から日本人にちょっと合いにくいかもしれない。
まとめると、少々とっつきにくさはあるが、サスペンスとアクションとファンタジーが良いバランスで配合された名作である。
