桃子

コンスタンティンの桃子のレビュー・感想・評価

コンスタンティン(2005年製作の映画)
3.9
「煙草の吸い過ぎ…」

最近の映画では喫煙シーンは少ないが、昔の映画は普通だった。男女とわず喫いまくり煙をただよわせている。それが当たり前だったし、煙くても仕方ないと思っていた。私の父はいつだって煙草くさかったし、映画館のスクリーンが煙でかすんで見えることだってあった。煙草は発癌性物質だから吸い過ぎれば癌になる確率は高いだろう。この映画の主人公ジョン・コンスタンティンは15歳の時から毎日30本以上の煙草を吸い、肺癌にかかっていて余命1年という設定である。演じているキアヌ・リーヴスが愛煙家だとはとても思えないのだが、終始タバコを吸う演技をしなくてはいけないのは大変だっただろうな。大きなライター(たぶんジッポー)を扱う仕草がかっこよかったけど…
原作はアメコミだったのか!昔、たしか映画館で見たのだけれど、設定やストーリーを全くを覚えていなかった。覚えていない映画は見ていない映画と同じだ。再見と言えども初見と同じで非常に面白かった。私はこういう悪魔とか天使とかが出てくる映画が大好物なのである。
とはいえ、これはオカルトでもないしホラーでもない。さすがアメコミ原作だけあって、アクション映画である。ジョンは悪魔の手先をやっつけるハンターというのか戦士というのか、要するに悪魔祓いである。その専用の武器を調達してきてくれる人物がいて、007のQとかゴルゴ13のガンスミスのデイブ・マッカートニーとかを連想させる。途中でやっつけられてしまうのが凄く残念だった。ジョンが使う武器は金ぴかで十字架の形をしていて、見てくれがとてもいい。
原作を知らない人もそれなりに楽しめるように出来ていると思うのだけれど、説明不足というのか、ストーリーにわかりにくいところがあるのは否めない。でも、いちいちひっかかっていてもしょうがない。地獄の描写とか、天使や悪魔のビジュアルとか、メインとなる悪魔祓いの戦闘シーンとか、そういうものを見て雰囲気を味わえばいいのかなと思う。個人的には、ラスト近く、ルシファーが登場してジョンと絡むシーンが一番好みだった。
レイチェル・ワイズが一人二役をしている。姉のアンジェラの方がジョンと絡むのだが、彼とは恋愛関係になりそうでならないところが好感がもてた(笑)。天使ガブリエルを演じているのはティルダ・スウィントン。「ナルニア物語」で白い魔女をしていたっけ。この女優さんは人間ではない存在の役がとてもよく似合う。ルシファーはピーター・ストーメアで、白いスーツに眉毛なしという姿がものすごくハマっていた。他に「トランスフォーマー」のシャイア・ラブーフ、「スターゲイト」のホルスをしていたジャイモン・フンスーが出ている。こうしてみると、かなり豪華なキャスティングだったんだなあと思う。
で、監督はどなただっけ?とチェックしたらフランシス・ローレンスという方。34歳でこの映画で監督デビューしている。かなりの才能だと思う。他に「アイアム・レジェンド」は見ているけれど「ハンガー・ゲーム」シリーズは見ていないし、最新作も未見だった。セルゲイ・ポルーニンが出演している「レッド・スパロー」は是非とも見てみたい。
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