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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツらのunepistのレビュー・感想・評価

3.5
地道に働いたお金で念願の湖畔の別荘(ボロ家)を手に入れたデイルとタッカーの親友コンビが、ひょんなことからパリピ大学生グループに殺人鬼と勘違いされて、血の惨劇に巻き込まれてしまうスプラッタコメディ。
作品のテーマとしては「見た目で人を判断すると罰が当たる」といったところでしょうか。本当は優しい田舎者のデイルとタッカーを見た目だけで殺人鬼と勘違いしたことで、大学生たちがあまりにもあっけなく肉塊/肉片と化していきます。ほぼ全員が事故死で、あまりに唐突にスプラッタシーン(というほど残酷ではないですが)に突入するので爆笑ものです。ホラー映画好きがニヤニヤしながら楽しむ映画かと思って見始めましたが、お約束を踏襲しつつもそれ以上の最大瞬間風速で笑わせてくるので、実はホラー映画未経験者の方にオススメすべき映画かもしれない?というのが鑑賞後の印象です。
大学生たちが「まさか!?」という展開で見事に自爆して死んでいくのですが、よくよく考えてみるとお膳立が揃っていて、凶器があり、被害者の前振り(NG台詞やNG行動)があって、殺人鬼(と勘違いされている2人)がいる状況が成り立った瞬間に死が確定しているようにも思えます。メタ視点で考えると、もはやこれは「ホラー映画文法の呪いによって殺されている」と考えてもよいのかもしれません。「何でそうなった/そうはならんだろ」という部分を除けば、有名スプラッタ映画のワンシーンを再現するかのような様式美でした。日本映画でいうと、池に放り込まれたらスケキヨになってしまうようなものでしょうか。
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