イルーナ

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツらのイルーナのレビュー・感想・評価

3.8
巷で評判の良かったホラーコメディ映画。
DVD廃盤、アマプラでの配信がもうすぐ終わるとのことで急いで観てみました。何気にレア作品なのかこれ?

……ああなるほど、これは『悪魔のいけにえ』とか『13日の金曜日』といったスプラッター映画のクリシェを利用したパロディ映画だ……
主人公のおっさん二人組は、いかにもホラー映画に出てきそうな大柄で強面な風貌。
彼らが購入した別荘もまた、いかにもホラー映画に出てきそうなボロくて怪しげな品が置かれた山小屋。
そこからパリピたちに誤解され、誤解に誤解が重なってピタゴラスイッチ的に大惨事が巻き起こる!というストーリー。
この見事なまでのすれ違いっぷりはまさにコントで、パリピたちの自滅っぷりが「そうはならんやろがい!」的なのばっかりw
これらの描写はかなり力の入ったスプラッター。ウッドチッパーで粉々とかあんまりな死にざまだ。こいつらの死にざまはダーウィン賞ものでしょう。
その犠牲者に「大丈夫か?」っておいw
スプラッター映画のクリシェを利用しつつも、視点を変えて描いたことによりかなり新鮮に感じました。

しかしこれらの惨劇は全て、先入観やコミュニケーション不足から来たもの。
デイルはめっちゃ純朴で素直に応援したくなるキャラクターだし、タッカーは不憫w
ヒロインのアリソンが心理学専攻で、後半で互いを対話させようとするのはまさに本作のテーマを象徴してました。
闇堕ちしたパリピたちのリーダーを倒す手段がアレルギー体質を突いたものだったのは、時代が違っていたら『ピーターラビット』みたいに叩かれていたかもしれませんが。
にしてもこれだけ悪条件が重なりまくったのに、よくあの二人逮捕されなかったな……ほっこりエンドで終わってよかった。
スプラッターにお色気、コメディ、ロマンス要素がバランスよく盛り込まれ、燃える要素もありと、手堅くまとまった良作でした。
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