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そよかぜのUCOCOのレビュー・感想・評価

そよかぜ(1945年製作の映画)
4.0
とうとう!「りんごの唄」を見てしまった!!
この作品はこれまで見たことなかったのに、なぜか「あーかーいーりんーごーにっ、くちびーるよーせーてー♪」って歌えてしまう自分がいたのは、それだけ戦後日本を描いた作品にこの歌が引用されている証のように思う。

めっちゃ良かった!
これが戦後1発目のヒット映画になったのがどうしてか分かる!
しかも、この時代の作品にしては珍しいくらい音がすごく良く聞こえる。登場人物たちの言葉が全てクリアに聞こえたから驚いた。

ミチが幼稚すぎるところは引いたけどそれでも全体の作風の明るさはとても良い!あ~、これが戦後の暗い雰囲気だった日本に明るさをもたらしたんだな。。と、!納得。
あのGHQの厳しい検閲をパスして世に放たれた作品なだけあって、それまでの日本人女性にはあまり感じられなかったような"自我"がしっかり感じられる点がイイね。前半では何度も「女はお台所にいるのが仕事」みたいなことをいろんな女の人が言うもんだから、え?ってなるんだけど後半になるとどんどん女性が輝き始めるような。。!

ミチたちの言う田舎のシーンはなんと、私の故郷の秋田で撮られていたらしくとても和む。初めて知ったけど、監督も秋田出身らしくて、どうせならもう田舎を「秋田」と名指ししてほしかった。めっちゃ、いいPRじゃんねー。
この監督、かなり多くの作品を撮っててもっと世に知られてもよかったのでは?と思ってしまった。
突然、子供たちがたくさん出てくるのも謎だけど和む。

ストーリーは単純すぎて、普通なら3.8くらいのスコアなのかもしれないけど、この映画が当時の日本にもたらした影響とか諸々考えると4.0でもいいと思う。(いや、もっとそれ以上なのか?)
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