佐藤克巳

絹代の初戀の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

絹代の初戀(1940年製作の映画)
4.5
大甘かも知れないが、テレビ映画「木下恵介劇場」迄続く典型的大船映画のお手本であり昭和の黄昏。証券会社常務佐分利信から歌舞伎の切符を貰った煎餅屋を営む姉田中絹代が一目惚れ、その会社員妹井川邦子に縁談話。ホテル従業員を首になり専従者となった父河村黎吉に見合い写真を見せられ驚く田中は、井川の幸せを祈る母として行動を取る。田中に同情する美容師水戸光子が井川の文金高島田を結い終わると田中は、井川に妻の心得を諭すと無事車に送り出した。佐分利も、長年の付き合い芸妓坪内美子を密かに泣かせた様に、田中も煎餅を焼きながら泣けて来るのを河村から誤魔化した。戀は、イト(糸)しいイトしいを言う心だね。
佐藤克巳

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