あつぼう

みづうみのあつぼうのレビュー・感想・評価

みづうみ(2006年製作の映画)
3.0
なんとこの映画のレビュー数、自分で9人目でした。これだけ少ないと逆に嬉しくなりますね。
ひょんな事から出会った4人の一夜の物語なんですが、4人の持つ事情が複雑すぎて最後までパズルのピースが収まる所に収まらなかった歯痒さがありました。途中の展開は痛々しい4人の人間模様が巧く描かれています。その反面静まり返った蒼い湖の表面が印象的で冒頭とエンディングで同じ湖を見てるのですが、登場人物の心の変化とともに湖も変化してるように見えました。この映画のタイトルの【みづうみ】って巧くつけたなって思いました。

少し残念なのが、自殺を考えてた人の心の動きが画面から伝わってこなかった。何がきっかけで「死」から「生」への変化があったのか分からなかったです。実際に自殺を決行しようとしてた人間が心変わりするには、それ相応の理由があるはずなんですが、それが見つけられなかったです。
自ら命を絶とうとするけどその度に邪魔が入るから面倒臭くなったのかな。最悪の一夜で死ぬ事すらバカらしくなったのか、それとも少女夕美の行動がそうさせたのか・・・。う~んやっぱり分からん。

自殺しようと思って持っていったガスがヘリウムガスで声だけ変わってしまうのは笑ってしまいました。ところどころにブラックユーモアを交えてるのは良かったのですが、全体的には暗い映画です。

吉井怜って自らも難病を克服した経験を持つ人やから色々と説得力がありました。
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