疎遠だった息子に迫る死期、親子の確執は互いに合うことも阻む程に険悪で修復の兆しも見えない。
叶わぬ過去の約束を、勝手に引き受け果たしに単身中国へ。雲南昆明から麗江の旧市街、手掛かりを訪ねて辺境の山奥にある田舎町に。
京劇の仮面の下に隠した素顔、実際に地元で関公を演じる俳優の自然な演技を引き出していて良い。その息子(これもまた一般人)との言葉を超えて通じ合うシーンも心温まる。
民族学者を志す息子の理由、足跡を辿って分かる、寡黙さに秘めた孤独と父への想い。
張藝謀が武侠映画からの原点回帰を図り、敬愛する日本の高倉健を主演に迎えて描くヒューマンドラマ。