“伝説”と聞くとどうも気になって観てしまいます。
でも、この映画の場合はずいぶん前にTVのチャンネルを変えてて偶然目にしたのがキッカケです。
ゴルフの試合のシーンでしたが、私はゴルフなんて一切やらないのに、リモコンを持ったまましばし見入ってしまいました。
ゴルフに興味は無くても、キレイな映像とその語り口に魅かれたんだと思います。
しばらく見た後で、マズイ、この映画はキチンと初めから観なければモッタイナイ、と思い直しタイトルを確認して後日レンタルしました。
監督はロバート・レッドフォード、主演はウィル・スミス、マット・デイモン、シャーリーズ・セロンというかなりの豪華メンバー。
それなのにスルーしていたのは公開当時の評価がパッとしなかったのと、ゴルフなんかに興味はないという狭い了見のせいでしょう。
で、結果は・・・観て正解でした。
公開当時の酷評もなんのその、多少のツッコミどころはあれど、私にとってはお気に入りの映画となりました。
決してスターが出ているだけの失敗作などではなく、観どころはたくさんあります。
タイトルのバガー・ヴァンスというのはスミス演じるキャディの名前で珍しくミステリアスな役どころです。
デイモンは才能ある若きゴルファー、セロンはそのかつての恋人であり映画のクライマックスの試合のスポンサーでもあります。
今回あらためて見直すと当時はまだ3人とも30歳前後でカワイラシイ顔をしていますね。
そして、同じレッドフォード監督作『リバー・ランズ・スルー・イット』のブラピと同じく、今回はデイモンが若き日のレッドフォードと重なって見えるのが不思議です(決してどちらも顔は似てないのに)。
さらに、オープニングにはジャック・レモンが登場してビックリ。レモンは完全なノンクレジットで全編のナレーションまでこなしています(しかも本作が遺作)。
私の場合はスポーツ全般にあまり興味がないため、その方面の映画は敬遠しがちです。
でも、これは映画のジャンルにも言えますが、それは何かを伝える手段や背景にすぎない場合も多いんだなと気づかされます。
少し大げさに言うと、苦手意識や食わず嫌いで避けてばかりいると、本質を見逃して人生損するよということでしょうか。
あらためて自分の趣味・嗜好の範囲を越えて楽しませてくれる映画のマジックに感謝です。
ゴルフにもほんのちょっと興味が湧きました。
ちなみに、レッドフォードつながりですが野球映画『ナチュラル』もスポーツの嫌いな私の大好きな映画の1本です。この作品もやはり“伝説”の物語です。イマイチ評価が低めなのも共通してますが。