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MEMORIESのよのレビュー・感想・評価

MEMORIES(1995年製作の映画)
4.3
場面場面を冷静に考えれば見たことのあるものばかりなのだが、それでも目を惹きつけられるし、オリジナリティがあると判定できる。それは大友克洋の見せる構図ゆえなのだろう。

作画や演出は技術進歩するけれど、構図は時代を超えて色褪せることがない。なぜなら構図とはすなわち着眼点であり、どこに着眼するかというのは技術ではなく生き方だからだ。
「科学みたいに業績を積み上げていくのとは違って、芸術はそのたびに全力疾走をしなくてはいけないんだ」
と伊坂幸太郎は『重力ピエロ』で書いたが、芸術のなかでもとりわけ構図というのは、全員がゼロメートル地点から全力疾走せねばならない類の要素だと思う。
だからセンスが良いものは、いつ見てもセンスが良い。本作も、ちょっと目を見張ってしまう。


それにしても、大友克洋の使う赤色は、どうしてこんなにも魅力的なのだろうか。
よ