菩薩

恋愛日記の菩薩のレビュー・感想・評価

恋愛日記(1977年製作の映画)
4.0
本作の主人公であるベルトランのモデルは『突然炎のごとく』及び『恋のエチュード』の原作者であるロシェであるとの事だが、トリュフォーの作品を順繰りに観てきた今となっては、これが彼の個人的な欲求(主に性的な)に基づいているであろう事は容易に想像出来る。トリュフォーの脚フェチ及びおぱーいに対する執着はこれまでも強く表明されているし、ロシェを隠れ蓑にして己の素直な欲求を満たしている様な気がしてならない、前作の感動を返して欲しい(嘘)。ベルトランがもし現代に生きていれば、その手には24時間体制でスマホが握られ、その画像フォルダには隠し撮りしたであろう美脚写真が並び、彼のSNSには毎日の様にその写真が投稿され多くのいいね!を獲得した後通報され垢BANされるであろうが、時代が時代とあってただ脳裏に焼き付けるだけで止まっているのはせめてもの救いと言えよう(炎上しろ)。僅か9歳の少女にまで声を掛ける場面は遂に行き着くとこまで行き着いたかと思ったが事なきを得て本当に良かった、ただ別れ際に8年後の彼女にロックオンしてる辺りやっぱ本気でやべぇ変なおじさんだった。MVPはやはり公共の場でないとSEXが出来ないデルフィーヌであろうか、そのしつこさと言ったらディフェンスに定評のある池上を遥かに凌ぐ。軽蔑するのは簡単だが、ここまで己の下半身及び女性に対し忠実であった彼を何処かで尊敬もしてしまう、少なくとも彼が悪人で無いことは冒頭及びラストの埋葬シーンで証明されている。美しき脚ばかりを追い求め、それ故に命を落とした彼の棺に大粒の涙と惜別の思いを込めて土を掛ける多くの女性達。今死んだところで誰の一人も葬式に来ないであろう自分からすれば羨ましい限りだし、誰にも迷惑をかけない様にと永代供養墓の購入を本格的に検討し始めたところである。ちなみに本作には「ゲームの規則」が台詞で出て来る。

「女の脚は地上を自由に歩くコンパス。そこにこそ平衡と調和の世界がある。」

ちょっと何言ってるか分からない。
菩薩

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