Toineの感想文

恋愛日記のToineの感想文のレビュー・感想・評価

恋愛日記(1977年製作の映画)
4.5
【脚フェチ男と女だけの葬列】
やはりトリュフォー監督は脚フェチだったと私の中で確定した作品。
彼のどの映画にも膝丈スカートでハイヒールを履いた女性の美脚をしっかり撮るカットが挿入されていますものね。
分っかりやすいですねー。
監督の趣味を大いに反映させた名作であり迷作です。

Filmarksさんのジャケットで既に脚フェチ映画なのバレてて笑うw
「恋愛日記」というノーマルな邦題つけても隠せてないから。
ちなみに原題は「女性たちを愛したひとりの男」という意味。

主人公は常に好みの女性の尻を(脚を)追いかけるハンターおじ。
後ろ姿(と脚)が美しい女性の車のナンバーを控えて自宅まで特定してんの吹いたww
本人はいたって真面目にストーカー行為してるのがキモくて面白すぎる!

とにかく女好きな主人公ですが不思議とお下品じゃないのが好感持てます。
これはトリュフォー監督の力量ですよね。
作中での主人公が名言(迷言)製造機で無駄に詩的な恋愛感や持論を語るのも良かったです。

"女の脚は美しくバランスよく
地球を測るコンパスだ"

"レストランは
恋の始まりにこそふさわしい"

"彼女の魅力は
その海草のような身のこなしだ"

"書くこと
それはどんな形であれ
他人に裁かれることだ"

"赤ん坊は… 私です"

とくにコンパスの台詞は変態すぎてテンション神上げ😂
こんな言葉よく思いつきますなあ♡
天才が過ぎる。
真顔で笑い一切無しで言ってるのが最高!

主人公ベルトラン氏のモデルとなった人物はアンリ=ピエール・ロシェ氏と公式に言われていますが、トリュフォー監督自身も投影されていると思いました。
ベルトラン氏が誘い出した人妻から星座を聞かれて"水瓶座"と答えたシーンや、幼少期の母親との関係、そしてこの作品のメインテーマである女性の脚への執着といった部分がトリュフォー監督そのもの。

そしてベルトラン氏の最期(2段オチだったw)も不謹慎ですが笑かしに来てるとしか思えないコメディっぷりww
ギャグセン高すぎて感動いたしました♡♡
女性だけの葬儀もチャラ男に相応しいなと。
彼が死の直前に葬列した女性たちを1冊の本にまとめた自称伝が、生前の彼が"受け入れてもらって一緒に住む"と夢見た"女性だけが住む島"のメタファーなのかなと思いました。
彼と彼が愛した女性たちだけの世界。箱庭。
夢が叶って良かったね♬

セクハラ的な観点で今の時代では作れない映画なのでしょうけど本当にセンスの塊だと思います。
個人的に大好きです。
ディスクも購入しようと思います♡