【ところどころ荒さを感じるが古き良き温かな作品】
1984年の作品で、かつ舞台が大恐慌時代ということでかなり古さを感じさせる設定ですが根底に流れる人間力や温かさは時代を超えて感動させてくれます。
酔った黒人にアクシデント的に夫を銃殺されてしまった未亡人の女性が、子供2人を育てていくため、綿花の栽培を始める
そのアイデアをくれて手伝いをしてくれる流れ者の黒人と、下宿料をとるために家に住まわせた盲目の白人男性とも協力しながら懸命に生きていく。
アクシデントとは言え偏見の強いこの時代に自分の夫を黒人に銃殺されているのに流れ者の黒人を雇うなんて随分と、心のできた女性だなというイメージを主人公にはいだきました。
しかし、未亡人、当時の黒人、盲目の障害者とそれぞれ背負うものの大きいもの同士が集まれば何かこう相互扶助の精神が生まれていくものなのだと思います。
最後にかけてそのようなシーンが多くなっていき、とてもいいなと思いました
ラストシーンは賛否あると思いますが、心も温まる終わり方だった思います。
ファンタジー感があるという意見もありますが、映画ですから。最後はあれでいいのです。
気になった点をいくつか。
まず、主人公家族周辺の不倫物語の必要性を全く感じませんでした。あれ、いりますか?
全然本筋と関係してこない上に、見た目がみんな少し髪の薄い男性であるため完全にこんがらがります。
蛇足とはまさにこれに関して言う言葉だなと思います
あとは、子供たちに関してあまり描かれていないなというのも正直なところです。
あの子供たちの内面や、思うところなどを表すシーンがほとんどなくただいるだけ
みたいになっているのが残念でした。
そのプラスとマイナスを加味して3.5がピッタリの佳作です。
2019.5/5