実力派キャストをそろえ、50年代のLAを舞台に起こる凄惨な事件とその裏に潜む汚れた警察の姿を描いたクライムサスペンスの良作。
役者陣の好演、手堅くまとまったストーリー構成、ミステリーの中に映し出される男たちのドラマ、そして程良いロマンスにアクションと全般的な質の高さは感じられましたが、これといって強く心に残る部分がなかったのが残念でした。
メインの2人は正反対なキャラクターとして描かれますが、焦点が周辺の人物にも分散しているために明確な対立軸が後半まで見えてこず、終盤の展開のドラマチックさが薄れている印象でした。
スマートにまぶされた娯楽性を多少犠牲にしてでも、自らの信念と正義の元に命をかける男たちをもっとドロドロとストイックに見せてほしかったです。
