KazuhiroSugano

探偵はBARにいるのKazuhiroSuganoのレビュー・感想・評価

探偵はBARにいる(2011年製作の映画)
2.5
まず前提として「謎解き」は映画と相性が悪いというのが、ヒッチコック以後の常識である。何故なら、観客が飽きてしまうから。それでも、例えば、ホークスの「三つ数えろ」のように、脚本家や監督さえも混乱してしまう込み入った謎の多いプロットでも、ハードボイルドな探偵の雰囲気だけで観客を惹きつける作品がある。本作もそこを狙って大泉洋を起用したように思われる。ただし、「渋さ」ではなく「コミカル」寄りだが……。しかし、監督の演出通りなのか、監督の意に反してなのか分からないが、大泉の演技が時折肩に力の入り過ぎた、映画向きではないものになっているのが気にかかった(「アフター・スクール」の大泉の方が自然で良かった)。それから、西田敏行が演じる財界の大物は、カリスマ性のある人望厚い人物という設定なのだが、むしろ胡散臭い印象しか抱けないのは気のせいなのだろうか(そのせいで本当の黒幕は実は西田敏行なのでは?という疑いを最後まで拭うことができなかった)? カルメン・マキとからむところも、その胡散臭さに拍車を掛けている(勿論これは偏見です)。乱暴な云い方をすれば、監督の演出力不足なのか? あるいはキャスティング・ミスなのか? ただし、ルパン三世の実写版、小栗旬より大泉洋でいけるな、という発見(?)があったw あと、悪役の高嶋政伸は気持ち悪くて良いw