ボブおじさん

シャーロック・ホームズのボブおじさんのレビュー・感想・評価

シャーロック・ホームズ(2009年製作の映画)
3.6
まるでガイ・リッチー監督から、〝今までのシャーロック・ホームズ作品とは違うよ〟と宣言されたかのようなオープニング。スピーディーな展開と激しいアクション、そしてコミカルな台詞回し。

従来は冷静沈着な頭脳派探偵として知られてきたホームズを、大胆にも口八丁手八丁のアクション探偵として描き、まるで〝007シリーズ〟を思わせる活劇ヒーローとして再構築した。

従ってアーサー・コナン・ドイル原作の〝世界一の名探偵〟を期待すると肩透かしを食らうことになる。ハッキリ言って推理に関しては後付けのご都合主義で感心しない。舞台や人物などのフォーマットこそ名探偵ホームズを使っているが、これは全くの別物として見た方がいいと思う。

異色のホームズ像に驚かされるが、それでも優れた観察力・記憶力・推理力そして化学や薬学に関する豊富な知識は、原作者ドイルが考えたホームズから逸脱はしていない。

だが映画のかなり前半でパートナーのワトソンまでもがホームズに負けない格闘術で悪党と闘い彼を援護する姿を見て、この作品は〝名探偵ホームズ〟にインスパイアされた全く別の映画だと頭を切り替え見ることにした😅

19世紀のロンドンを舞台にスケールの大きな仕掛けとアクションで軽快に展開される冒険活劇。本格的な推理は抑えめにして、ロバート・ダウニー・Jrとジュード・ロウやレイチェル・マクアダムスとのテンポの良い掛け合いをガイ・リッチーがスタイリッシュな映像で演出している。