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シャーロック・ホームズのsithmaroのレビュー・感想・評価

シャーロック・ホームズ(2009年製作の映画)
3.8
ガイ・リッチー版シャーロック・ホームズの1作目。
たぶんそんな人はあまりあないとは思うが、コナン・ドイル原作の忠実な映像化を期待すると肩透かしをくらう。
と、言うか原作の映像化ならばグラナダ版ホームズを観るべき。
現状、あれを超えるホームズはないし、恐らく今後も出ては来ないだろう。

とそんな話は置いといて、こちらのホームズだが、ロバート・ダウニーJrとジュード・ロウいう時点で原作をベースにはしているけど別物だよということが解る。
それくらい従来のホームズ像とはかけ離れた俳優を起用している。
こちらのホームズはわりと武闘派。
まぁ原作のホームズが『空き家の冒険』でいきなり「東洋の武術バリツの達人」とか言われて混乱したことを思うと、最初から格闘技に精通していますと言われた方がいいのかもしれない。

一方で『ボヘミアの醜聞』のラストでゲットしたアイリーン・アドラーの写真が部屋に飾ってあったり、ファンがニヤリとする演出もあるのはなかなかに憎い演出。
かたやメアリー・モースタンとホームズの初対面がワトソンの紹介になってて
「え?『四つの署名』事件そのものが無くなってる?」
とか、『ボヘミアの醜聞』の時点で既に結婚している筈のワトソンとメアリーが明らかに『ボヘミアの醜聞』より後なのに、まだ婚約の段階という事でファンなら容易に指摘できる原作との相違があったりするが、そうしたツッコミも含めて楽しむ映画かもしれない。

これはホームズ映画であって、ホームズ映画ではないという割り切り方ができれば面白いと思える作品だろう。
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