一

三尺左吾平の一のレビュー・感想・評価

三尺左吾平(1944年製作の映画)
-
石田民三『釣鐘草』
『花つみ日記』に続く、民三×吉屋信子×高峰秀子の座組。中盤登場する寄宿舎の女生徒たちのメンツは、清水美佐子はもちろんのこと多分『花つみ日記』と被っている。不憫な話ではあるけれど、川を往来する渡し船のロケーションだったり、写真や押し花といった小道具使いだったり、秀子や子役・小高たかし少年(演技・演出がとても上手い)が口ずさむ歌の使い方がホントに上品で情感があって素晴らしい。小高少年がいつも姉が歌ってくれる子守唄を歌い出すと無人の町の情景がインサートされるのとか皆大好きなやつだろう。Wiki情報によると、劇中で亡くなってしまう小高少年、本当に12歳で結核で亡くなっているらしく切ない気持ちに。
一