Hiroki

ミッション:インポッシブル2のHirokiのレビュー・感想・評価

3.6
前回に引き続きSAG-AFTRA(俳優組合-米国テレビ・ラジオ芸能人組合)のストライキのお話から。
ついに現地時間の8/13午前0時よりSAG-AFTRAのストが始まりました。
これにより基本的に全組合員はAMPTP(映画製作者協会)が関わる作品への撮影やプロモーションに参加できなくなります。(現組合員でなくても撮影に参加すると今後組合に入る事ができなくなるらしい...)
ちなみにAMPTPが関わる作品への参加ができなくなるので、AMPTPが関係しない海外の作品へは参加できるらしい。
実際イギリスの俳優組合Equityの契約作品である『ハウス・オブ・ドラゴン』シーズン2、『インダストリー』、『Dune: The Sisterhood』(デューンのスピンオフドラマシリーズ)などは撮影を続けているとの事。

ちょうどこの時間にロンドンでプレミアを行っていた『オッペンハイマー』はキリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、ロバート・ダウニーJr、マット・デイモンなどの俳優陣はレッドカーペットには現れてインタビューやフォトコールなどに応じていたが、その後の舞台挨拶には姿をみせなかった。
1人で舞台挨拶に現れたクリストファー・ノーランは「キャストは全員ストライキのプラカードを作りに家に帰った」とジョークを飛ばしていた。(ちなみにノーランは同じくストライキ中のWGA=全米脚本家組合の会員だが、既にAMPTPと合意しているDGA=全米監督組合の立場として参加していた模様。)

そしてこれによりM:Iシリーズ最新作のプレミアのためトム君の来日は中止になりました。
残念。
実際は上記のようにプロデューサーを兼ねるトム君はおそらくプロデューサーとしての立場なら参加できたのだと思う。
ただトム君がそんな連帯を崩すような行為をするわけがないので、必要な事なのだとここはグッと我慢。
PART2の時はぜひあの笑顔をジャパンプレミアで見せて欲しい。

という事で本作のお話ですが、監督が1作目のブライアン・デ・パルマからアクション界のレジェンドであるジョン・ウーに変更。
脚本はデヴィッド・コープの名前が無くなり、ロバート・タウンのみに。
まーここからわかる事は完全にアクション押しにシフトチェンジしようという感じですね。
そして撮影監督に『トップガン』のジェフリー・L・キンボール、音楽に巨匠ハンス・ジマーとなかなかのやりたい放題。

オープニングの有名な本編とは全く関係ないクライミングシーンからスタート。
これがトム君の本編とは関係ないアクションやりたいシリーズの幕開けです!
その後も物語的にはウイルス兵器をめぐるヴィランとの戦いで、前作に比べると非常にわかりやすい。
今回のヴィランが自分の替え玉をしていたアンブローズ(ダグレイ・スコット)で変装の名人のため、この変装合戦というのがキーになってきての騙し合いはなかなか面白かった。

戦闘シーンに鳩が出てきたり、立て続けのカット割りからのスローモーションなどの“ジョン・ウー・アクション”とトム君の融合も良かった。(ロングコート2丁拳銃はなかったけど...)
最後はやっぱりカンフーなんだという展開も熱い。
あとバイクアクションがやたら多くて、途中で仮面ライダーみたいなジャンプシーンも有り。攻殻機動隊を思わせる落下シーンもあったり意識してるかも。

ただ個人的にアクション映画で恋愛模様とかラブシーンみたいなものが必要ないと思ってるので、今回はなかなか厳しかった。
トム君が色欲に溺れまくっていて、途中からキメラウイルス奪還が目的なのか、ナイア(タンディ・ニュートン)を助ける事が目的なのか、よくわからなくなっていた。
シンプルにスパイとしてダメだろという...

最後にキャストはめちゃくちゃチョイ役でアンソニー・ホプキンスが出てる!
そして若き日のブレンダン・グリーソンも。
そしてIMFの新キャラであるビリー・ベアード(ジョン・ポルソン)は今回のみの登場。スティッケル(ヴィング・レイムス)から「イカレ野郎だ」と説明されたのに特にイカれた言動もなく退場に。ジョン・ポルソンはこの後監督業にシフトしていったのでそれが理由か...

さて次作は最新作にも繋がるあのキャラクターが初登場します!

2023-45
Hiroki

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