バナバナ

フローズン・リバーのバナバナのネタバレレビュー・内容・結末

フローズン・リバー(2008年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

レイの家族はトレーラーハウスに住んでいる。
小さいし、ボロいし、冬は水道管が凍るしで、新しい大きなトレーラーを契約し、もう少しで残金を払い終わるところを、その大事な金をバクチ中毒の旦那に、まさかのクリスマス直前に持ち逃げされる。
不動産業者に回収されてしまうトレーラー。

レイのパートの収入では、15歳と5歳の息子に満足な食事を出す事も出来ない。夕食はなんとポップコーンだ。
そんなレイが、ひょんなことからモホーク族のライラと知り合い、
彼女達二人で、中国人やパキスタン人を、カナダから凍った川を車で渡って、アメリカに密入国をさせる仕事を始めるのだった…。

レイはさすがはアメリカ人。常時拳銃を携帯している。
パキスタン人を運んだ時は、アラブ系の人に対する偏見がすごくて、危機一髪な事をしてしまう。
しかし、自分の子供に対しては、5歳の子供の世話も食事以外の事はしてるし、15歳の子にも火を使うなと厳しく叱ったりして、母親らしい事はちゃんとやっている。

そしてライラの方も事情がある。
夫が亡くなったのを義母に逆恨みされ、まだ1歳児の我が子を取り上げられているのだ。
二人は最初は対立していたが、お互いの事を知るうちに共感が生まれるのだった。

法律を犯すのはもちろん悪い事だ。
けれども、レイとライラの土地は田舎過ぎて、ロクな働き口もないのだ。
でも、子供達を食わせなければならない、安全な住処を確保しなければならない、となると、他に手段がないのだ。

そういう母親の必死な姿を見せられるので、彼女たちを簡単に責める事は出来ない。
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