Aya

ルディ/涙のウイニング・ランのAyaのレビュー・感想・評価

2.7
#twcn

これアメフト映画じゃないですよ。青春映画。
私は青春映画としてもノレなかった。

言わずと知れたアメフト映画のクラシックと言われるもの。
実は未見でした・・・。

ちなみにアメリカン・フットボールはラグビーと似ているように見えますが、全く別のスポーツで、プレイひとつひとつの単語も異なるため、アメフト大好きな私ですが、ラグビーは全くわかりません・・・。

1993年と結構昔の映画だから、監督やヘッドコーチがつけてるインカムをつけたない人がいたり、選手が腕に巻いてる作戦表がなかったりしますね。

身体の小さな少年ルディはノートルダム校でアメフト選手になるのが夢みる。

大人になれば夢と現実は全然違う。
憧れのノートルダム大学には入れず、工場勤めの危険な仕事で必死に大学費用を貯めていた。
それと同時に、長く付き合っているガーレンドは結婚資金をためていた・・・。

しかし、ルディはある出来事をきっかけに憧れのノートルダム大の配下の神学校に条件付きで通えることに。
こーちに直談判するも体が小さく実績もない、ノートルダム学生になる学力もない。

そこで目をつけたのが、グラウンド整備のおじさん。
ルディにとってはグラウンドすら憧れ。おじさんに頼み込み、タダでいいから雇って!と。

モテない学生役で出てるジョン・ファブローがめっさ若いww
ルディの友達になるのですが、実は故意に奥手で安定にウザ偉そうです。

初めてグラウンドに足を踏み入れたとき、初めてロッカールームの掃除に行く時、それすら彼にとっては憧れの場所、感動の瞬間。
しかし、そこからが長かった。

神学校からノートルダムへ編入するには圧倒的に学力が足りないルディ。
ここで腐ったり、凹んだり、荒れたりしながらも諦められない夢のため努力する。

そして勝ち取ったノートルダム大学入学!
まだ壁は立ちはだかる。
そう。アメフトチームへの入部だ。
トライアウト制。登録選手は60人。
少なっ!(日本の学生チームだと100人くらいいける、はず)

見事チーチメンバーに選ばれるけど、ダメダメなの〜!
まず、体が小さいのにタックルが得意だからってCB(コーナーバック。グランドの一番端っこからタックルするやつ)に置かれるんですね。
ディフェンスはオフェンスを力で止めなければならないから、あんまこういう選手っていないんですよ。

体が小さいやつはQB(クォーターバック。ボールを投げるやつ)かRB(走っていってボールを受け取るやつ)って相場が決まってるのに、ルディはアリも速くない・・・K(キッカー。ボールを蹴るだけのやつ)やれば?

この映画の特徴はアメフトの花形であるオフェンスを主人公にしていない点。
だからボールを持ったQBやRBがほぼ映らない。
てか試合のシーン自体がほぼない。
だってルディがなかなか試合に出ないんだもん。

アメフトでもエキサイティングな部分にスポットを当てていない点がスポーツ映画というよりはルディのパーソナルな映画であることがわかる。

でも邦題のサブタイトルが「涙のウィニングラン」じゃないですか?
ってことは、このルディがどこでどう活躍するかわかるわけ!!
もう何この邦題最悪(T_T)
と思ったら!!!
ミスディレクションなのか、アメフトをわかってないのか・・・。

あと、それは違うだろ?!と思ったのが、ルディが
「試合に出てる姿を見せられないから誰もノートルダムの選手だと信じてくれないから、一度でいいから試合に出してくれ」って頼むとこですよね。

なにそのてめえの都合?!
みんなそれぞれいろんな事情があって、試合を目指してるんだよ!!
何、情に訴えてんの?って感じでびっくりしました。

しかし、そんな自分勝手でも人一倍、人百倍努力をしていたルディにチームメイト自体も励まされていた。
そしてチームメイトのとった行動が涙を誘います。

やっぱ青春映画だなあ。

ルディが試合に参加するということは相手チームに攻撃権が渡っているということで、もしルディが試合に登場したとしても、それはピンチのときなんだけど・・・・。

アメフトのシーンも少しだし、極地的で試合展開も読みづらく、ああ、本当にこの映画はアメフト自体をちゃんと見せる気がないんだな、って悲しくなりました。

どんなに頑張ってもちょっとズルしようとしたし、ルディのキャラクターも好きになれず、青春映画としてもなんかノレなかった。

あと、なんかルディって頑張って頑張ればなんとかなる!みたいな姿勢だけど、工夫してないよね。

アメフトは頭を使うスポーツだから、ポジションでその選手の特性を活かす適材適所でいろんな役割があるのに、なんで一番向いてないディフェンスにいるのかがやっぱり謎。
がむしゃらに練習するだけで工夫やいろんな可能性を試さないのは努力してるうちに入らないんじゃない?

「マネーボール」がいかに努力してる映画か比べればわかると思う。

コレがアメフト映画のクラシックと言われてるのかあ・・・だったらアメフトの映画じゃないけど戦争帰還兵がアメフトの試合を見に行く1日を描いた「ビリー・リン」の方がよっぽどアメフト映画だし、大学アメフトのドラフトを扱った「ドラフト・デイ」やアメフト選手の脳震盪を問題視した医者の映画「コンカッション」の方がよっぽどアメフト映画だと思った。

Aya

Aya