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ペット・セメタリーのYYamadaのレビュー・感想・評価

ペット・セメタリー(1989年製作の映画)
3.4
【ホラー映画のススメ】
◆作品名:
ペット・セメタリー (1989)
◆映倫区分 / 日本 : R15+
◆ホラーの要素
 非人間的な何かが視聴者の恐怖を煽る
◆恐怖のレベル
 精神的恐怖 ★★★☆☆
 肉体的恐怖 ★★☆☆☆
 知識的恐怖 ★★★☆☆

〈本作の粗筋〉
・妻子を連れて田舎町に越した医師のルイスは、家の前の通りを大型トラックが行き交うことに驚く。
・ある日、トラックに轢かれた飼い猫を近所のペット用墓地に埋葬すると命を吹き返す。奇妙な現象に驚くなか、幼い息子ゲイジがトラックに轢き殺されてしまう…。

〈見処〉
①「モダンホラーの帝王」が描く、
 最も恐ろしい物語 ——
・『ペット・セメタリー』は、1989年に製作されたホラー映画。
・「モダンホラーの帝王」の称号を持つ、ベストセラー作家スティーブン・キングによる原作小説を映画化した本作。キングが1979年に書き上げられた原作は「原稿に手を入れる気にもならないほど恐ろしい」内容にて、刊行は4年後の1983年となった「曰く付き」作品である。
・原題の「Pet Sematary」は「ペット霊園」の意味であるが、正しいスペル「Cemetery」に対して、作中に描かれている、子供がスペルミスにて書いた霊園の看板が「Sematary」を原題として採用したもの。日本では『ペット・セメタリー』として公開された。
・子供を失った、やるせない哀感に満ちた
ストーリーが描かれた本作は、『キャリー』(1976)、『シャイニング』(1980)、
『クジョー』『デッドゾーン』『クリスティーン』(ともに1983)、『炎の少女チャーリー』(1984)、『スタンド・バイ・ミー』(1986)、『バトルランナー』(1987)と相次いでキング原作作品が映画化された中で、『シャイニング』以来の大ヒットとなった。
・なお、2作目『ペット・セメタリー2』も製作され『ターミネーター2』のエドワード・ファーロングが起用されたものの、興行成績は低調、批評家たちから酷評を受けた。また、本作公開の30年後の2019年には、ジェイソン・クラーク主演のリメイク作品が製作されている。

②結び…本作の見処は?
◎:「悲哀を感じつつも、おぞましい」…。結末はわかっていながらも、家族愛が過ちを起こさせることが描かれた移植のホラー作品。
◎: 子役俳優に演技させるのが憚れるほどのチャイルドプレイのような終盤の惨劇は見もの。
○: 葬式のシーンの牧師役として、原作者のスティーブン・キングが登場。
▲: 家族を失った哀しさとはいえ、何度も同じ過ちを繰り返す学習能力のなさは、ツッコミどころ。
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