茜

ペット・セメタリーの茜のネタバレレビュー・内容・結末

ペット・セメタリー(1989年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

古い映画だからとナメてかかってたら普通に怖かったです。
突然出てくるのと大きな効果音にベタにビビってしまいました。

観終わった後は、怖いというよりも悲しさが強かったです。
愛する者を失う悲しみは確かに辛いけれど、それでも運命に逆らって禁忌を犯してはいけない。
蘇ったゲイジに憑依していた悪霊は、おそらく悲しい死を遂げた妻の姉だったのでしょうか。
妻が実家から夫に電話するシーンで、後ろに飾られていた子供と猫の絵が、蘇ったゲイジと飼い猫そのまんまだったし。
不遇な環境に身を置かされて身体も心も病んでしまった妻の姉が抱いている怨念も悲しいし、
愛する家族の死を受け入れられずに破滅へ進んで行く家族も観ていて悲しい…。
何よりも私は残された娘のエリーが沢山苦しい思いをしていて可哀相に感じてしまいました。
あのエンディングを観るとエリーのこの先の人生が幸せとは言えない気がします…。

しかし登場人物には傍から見てると色々ツッコミたい場面が多々…。
過去にあんな事があったのに、同情心からにしろ何でジャドは父親にペットセメタリーの秘密を教えてしまったのか。
両親も両親で、沢山の動物や飼い猫が轢かれてるような道路の側で、何であんな迂闊に目を離すんだよ…。
しかも危険に一番最初に気付くのが隣家のおじさんだなんて…。
妻の両親も病気の姉を隔離したり、そんな状況の姉と幼い妹を2人きりにして出かけるなんて、そもそもの元凶はアンタらだよと言いたくなる。
何かもう色々と「アンタら何してんの!」と言いたくなる場面が多々あって終始オイオイってなってました。

不気味な見た目の優しい幽霊パスコ―が、私にとっては癒しというか光のように思えたんだけど、
彼の必死の声も錯乱してしまった父親には届かなかったんだなって思うとやるせなくなる。
本当希望のない悲しい映画だった…。
茜