「ロシアンブルー」
原作者スティーヴン・キングは、この物語を「気味が悪すぎる」という理由で完成後も長い間出版しなかったそうである。
キング原作のホラーとしてそれなりに有名なので、いつか見たいと思っていた。予備知識ゼロで見て大正解だった。タイトルからの印象でペットのオバケが出てくるのかなあ、なんて思っていたから、見事に期待を裏切られた。
キング本人が脚本を書いている。これは大きなポイントだ。出版を先延ばしにしたくらい気味悪い物語を自ら脚本を書いて映画化したのだから、本気度が高いというのか、意気込みを感じる。監督も出演している俳優さんたちも、全員私の知らない人達だった。たぶん当時無名の俳優さんたちなのではないかと思う。キングは「シャイニング」で不愉快な思いをしているので、出演料等の予算の問題というよりは自分の思うとおりにに映画化したかったのだろう。
見終わってから、どよーんとくる映画である。とにかく後味が悪すぎる。あのあとどうなったんだろうと想像しただけで恐ろしくておぞましい。胸糞映画だからといって駄作というわけではない。後味の悪い名作映画はこの世にたくさんあるわけだし。未見の方もいるだろうからネタバレできないのが辛いが、“死”について色々と考えさせられてしまった、とだけ言っておこう。
これまた全く知らなかったのだけれど、去年この映画がリメイクされていたようだ。公式サイトには「新設定で再映画化」と書いてある。これはアマプラ課金で見られるようなので、近いうちに見るつもりである。久しぶりのリメイクだし、比較するのが楽しみだ。
そう言えば、「エル」で主人公のミシェルが飼っていた猫がロシアンブルーで、この「ペットセメタリー」に出てくる猫とそっくりだった。色も顔つきも本当によく似ていてびっくりした。(実を言うと「ペットセメタリー」→「エル」の順に見ていて、レビューが前後している)。続けざまにロシアンブルーの猫が出てきたので偶然って面白いものだなあと思ったのでした…