ぽかぽか

ディーバのぽかぽかのレビュー・感想・評価

ディーバ(1981年製作の映画)
4.5
進行する話の軸が常に2つあって複雑なのが嬉しいし速いカット割りのショットとショットの間に繊細かつ大胆な飛躍がある。優れたショットと編集の映画。ベトナムの女の子が胸に入れたリンゴを主人公の元に持っていって、窓を開けて服を脱ぐ室内→室外→壁にうつる影→後ろから寄って逆光ショットの繋ぎで絶頂。もうこの瞬間があればこの映画は大丈夫だという確信が随所に宿っていて、明らかに撮影と編集の腕が神がかっている。複数の人物に複雑で自然な動きをさせる演出もすごい。おっさんがフランスパンにバター塗るとこのセリフとか脚本も変。逃走劇やアクションシーンにおけるサスペンス感の希薄さ。地下をバイクで走り場所から場所へグネグネと動き回る。シチュエーションも美術も全部ヤバい。アジア人と黒人のダブルヒロインも計算だろうしちゃんとハマってる。美しい女優を最も美しく撮るための演出。あげだしたらキリが無いくらい細部が豊かなんだけど、全体としての構成も見事でラストなんか圧巻させられる完璧さ。ハスミンが誰の映画にも似てないと書いてたけどリヴェットとかロジエっぽいと思う。
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