NicoJay

はつ恋のNicoJayのネタバレレビュー・内容・結末

はつ恋(2000年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

この作品は公開初日に舞台挨拶つきで鑑賞しました。

会田聡夏(田中麗奈)がはしごを登って藤木真一路(真田広之)の部屋を覗き「こら、藤木。サボるな!」と叫ぶ。
観覧車に乗る聡夏と藤木。
オルゴールのメロディと同じ曲が入ったLPレコード(久石譲の曲のアフレコ)をかけて「今日は帰ってくれないか」と聡夏に言う藤木。
雨のガード下。
願い桜。
等々、20余年を経てなお思い出に残っているシーンがたくさんあります。

舞台挨拶の他に、篠原哲雄監督と脚本家の長澤雅彦氏を迎えたファンミーティングもあり、そこで交わされた質疑応答からいくつかのエピソードを。敬称敬語略で要点のみ。
Q「田中麗奈の演技がとても自然で、素で演っているように見えた。あれはどこまで演技だったのか」
A(篠原)「どの演技も計算されたもので、素に見えたのなら、それだけ田中麗奈の演技が優れているということ」
Q「新宿東口での”シェー”のシーンはどうやって撮影したのか」
A(篠原)「シェーは田中麗奈が単独で挑んだゲリラ撮影。スタッフもいることはいたが、離れたところから見守っていた。本人曰く『すごく恥ずかしかった』とのこと。ちなみにあの喫茶店は実在する(当時)。」
Q「主人公の聡夏(さとか)という名前はかなり珍しいが、なぜその役名にしたのか」
A(長澤)「大学の同級生に同じ名前の女性がいて、印象に残っており、いつか使おうと思っていた」

劇中、聡夏の思いと別に志津枝(原田美枝子)の病室を訪れた藤木は、その足で別れた妻の暮らす北海道へ旅立ちます。
そうとは知らない聡夏が、母・志津枝を病院から連れ出し願い桜のもとへ。するとそこへ現れたのは父・泰仁(平田満)。戸惑う聡夏を優しげな眼差しで見つめる志津枝。
この一連の流れがとてもよかったです。
ラストの会田家のシーンも、病魔に侵された志津枝の死を乗り越えた家族の様子が描かれ、いい余韻を残してくれました。
NicoJay

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