アニマル泉

あこがれのアニマル泉のレビュー・感想・評価

あこがれ(1958年製作の映画)
5.0
トリュフォーの至福の処女作。ベルナデット・ラフォンのスカートが翻る自転車の疾走、子供たちの躍動的な走り、本作は運動そのものであり、瑞々しく官能的である。処女作から「自転車」「子供」というトリュフォー十八番の主題で作られている。逆回転やコマ落とし撮影などのテクニックも初々しい。「高さ」「坂」「俯瞰ショット」などのトリュフォー印もすでに顕れている。ベルナデッドとジェラール・ブランのデートの出会いは全て高低差がある。コロセアム、窓辺と道、、いつもベルナデッドが高い所にいて、ジェラールが声をかける。抱き合う二人、坂を下りながら冷やかす悪童たち、追うジェラールのワンカットも素晴らしい。ラストは悪童たちが坂をよじ登る、喪服のベルナデッド毅然とすれ違う。二人の別れは「列車」だ。これもトリュフォーの十八番である。モノローグで展開される。白黒スタンダード。
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