Jimmy

33号車応答なしのJimmyのレビュー・感想・評価

33号車応答なし(1955年製作の映画)
4.8
シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞。

これは、本当に観て良かった日本が誇るべきサスペンス映画だった。
主演は池部良と志村喬の警官、そして池部良の奥さん役の司葉子…綺麗。
谷口千吉監督作品。

警察官を射殺した凶悪犯を追う警察。日々、110番通報を受けて出動し続ける警官たちの姿。
そんな警官たちを描きながら、警官の新婚ホヤホヤの妻も描いていく。そして潜伏している凶悪犯が出て来そうな雰囲気が漂う…。

冒頭は、広い場所で凧揚げをしている子供達がたくさん居て、1950年代の風景が懐かしい感じするが、自分は当然生まれていない(笑)
クリスマスなのだが、新婚夫妻(池部良と司葉子)の会話から、この頃はさほどクリスマスが浸透していなかったことが感じられる。妻は夫に「人から嫌われて危険な仕事はやめて欲しい」と言うが、夫は警官の仕事が好きらしい。
そして警官が集まる警察署では、警官を射殺した凶悪犯(平田昭彦)の写真が配布されて、逃げて潜伏した犯人を探そうとする。
しかし、警察にかかってくる電話は「自分を助けてくれる警察が何分で来てくれるか試すイタズラ電話(電話男…沢村いき雄)」など取るに足りない通報多数。

途中、ある巡査がテレビの「のど自慢番組」に出演する場面があるが、テレビ出演して歌を歌うのが大村千吉。…あのテレビドラマ「怪奇大作戦」で存在感見せた名脇役。(封印された『狂鬼人間』の日本刀振り回しなど…)

この映画の前半は、池部良と志村喬が警官として細やかな出来事に出会うものになっているが、後半から2人が一気に大ピンチとなる展開に持って行く流れが見事!

サスペンス映画でもあり、アクション映画とも言えそうな作品なので、あまり詳細は記載しないが、盛り上がりまくって、スクリーンに眼が釘付け…(笑)

本当に面白い映画であり、日本映画のサスペンスも侮れない傑作であった。
Jimmy

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