警官が殺人事件に遭遇しつつも様々な事件に対処する前半の何気ない描写が後半のサスペンスに結び付く語り口が素晴らしいし、緊迫した後半の展開も見事だけれど何より警官という職務の大変さをしっかりと描いているのが好ましい傑作。
『暁の追跡』といい本作といい、仕事で悩む若き警官という役柄がよく似合う池部良、そんな悩める若者像を演じる池部に対して当時流行ったアプレゲールを好演する平田昭彦が対比になる構成も◎。
シャブ中毒の子供を演じる石橋蓮司の子役時代の演技も見物。
最近東宝が保存しているこの映画のフィルムが劣化しているという話を聞いたので、棄てられる前に早く配信やソフト化を進めてほしいと願う。