らんらん

33号車応答なしのらんらんのレビュー・感想・評価

33号車応答なし(1955年製作の映画)
4.5
谷口千吉が監督した警察ドラマ
パトカー(33号車)で夜勤巡回中の池部良&志村喬コンビのいつもの日常(めちゃくちゃ慌しく異常な一夜)を描く

【あらすじ】
新婚の池部良と司葉子はラブラブだけど、奥さんからしたら薄給で危険で煙たがられるお仕事なわけで心労が絶えません
そのことで新婚以来初の夫婦喧嘩になってしまいます

喧嘩別れしたまま仕事に向かう池部良はベテラン巡査の志村喬と夜勤のパトカー巡回にくりだします
舞台は東京年の瀬クリスマス、街は日が暮れても人で賑わっていてイタズラ通報(沢村いき雄)やスピード違反、酔っ払いの喧嘩、産気づいた妊婦(その夫土屋嘉男)などなどいつも以上に忙しい夜です

物語はかねてから逃亡中の凶悪犯の存在を仄かしながら進行していく
もちろん凶悪犯一味(平田昭彦、根岸明美ら)と出会いピンチを迎えるし夫婦喧嘩も続行中、そんな一夜の物語

【感想】
よく出来た映画だと思う、古典警察ドラマのの名作的な雰囲気
娯楽作品として楽しめて個人的にはすごく好きな映画です、つたないところもあるけど昔ながらの味みたいなのがあってそれもまた良いです

ラストシーンが素敵だったなぁ
絶体絶命な目に合った夜なんだけど、翌朝奥さんにいつもと同じとしか言わない池部良の男らしさが素晴らしい

あとは犯人一味もインパクトある映画です
孤児を保護してる良いおじさんと思われた沢村宗之助の正体のひどいこと
子供たちを使って悪さをさせてる、ヒロポン中毒になっていて逃げられない子供たちの悲惨さ
そんな風に育ったであろう平田昭彦と根岸明美の冷酷さと狂気が恐ろしい
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