まーしー

断崖のまーしーのレビュー・感想・評価

断崖(1941年製作の映画)
3.0
サスペンス映画の巨匠、アルフレッド・ヒッチコック監督作品。
ある男性と結婚した女性が、少しずつ夫に疑惑を持ち始める様子をサスペンスフルに描く。

本作の主人公はジョニー。
ところが、このジョニー、お金にも女性にもだらしない。
・ギャンブル好き
・嘘つき
・多額の借金あり
・73名以上の女性と関係あり(本人談)
などなど、とにかくダメンズ要素が満載。

そんなジョニーにオラオラで口説かれ惚れてしまったのが、箱入り娘のリナ。
リナはジョニーと駆け落ちして結婚するも、夫から次々に出てくる疑惑の数々。「ジョニーが競馬場にいた」という目撃談や、「ジョニーは仕事をクビになった」という情報まで、パートナーなら不安に思うことばかり。
「疑惑のデパート」や「疑惑の総合商社」の比ではない。もはや「疑の玉」ジョニーである。

このジョニーに対し、疑心暗鬼に陥るリナの変化が見どころの1つ。
また、ヒッチコック作品らしく、要所ではスリリングな演出も。タイトルの「断崖」を前にしたやり取りなどは、その最たる例だろう。
その他、リナに提供される牛乳が光っているシーンも有名。「毒入り」であることを暗示するかのような、不気味さが漂っている。

ヒッチコック監督にしてはロマンス色が強め。そのため、スリルを味わたい人には物足りなさを感じるかも知れない。
それでも、胸糞悪いジョニーに興味がある方は、ぜひ。